ケルト文化で知られるアイルランドは、すぐれた文学者を数多く輩出している国でもある。日本でもっとも親しまれているアイルランドの作家といえば、『ガリバー旅行記』の作者のジョナサン・スウィフトだが、このスウィフト以上にアイルランドの人々に愛されているのが、ジェームズ・ジョイス。スウィフトと同じく、ダブリン出身の作家である。彼は、ストーリーを、過去から未来への時間の流れに沿ってではなく、主人公の意識の流れに沿って展開させる「意識の流れ」と呼ばれる手法を生み出し、注目された。なかでも、代表作の長編小説『ユリシーズ』は、二十世紀文学の金字塔といわれているほどだ。ジョイスは、おもにフランスやスイスで執筆を行なったが、故郷のダブリンをたいへん愛し、それが作品にも反映している。彼の数々の作品のなかに、『ダブリン市民』という短編集があるし、『ユリシーズ』もまた、ダブリンを舞台にした小説である。そういうところが、ことさらダブリンっ子たちの共感を呼んだのだろう。ダブリンのあちこちには、なんと、『ユリシーズ』の主人公の足跡をしるしたレリーフがあちこちに建てられている。念のためにいうと、『ユリシーズ』の主人公は、実在のモデルなどはおらず、まったく架空の人物である。格式ばった碑文などではなく、小説の主人公の足跡を残すあたり、ダブリンっ子たちはユーモアとイタズラが大好きのようだ。
便利なことに『ABC』には、上巻のブルーブックにミニマムコネクティング・タイム(最低乗り継ぎ時間)の表示があり、これを見れば現地の空港の国際線から国内線へ乗り継ぐ際、どのくらい時間が必要かも分かる。またブルーブックの巻頭には、世界中の航空会社の所在地と連絡先、コード名、世界各地の公休日、時差表、航空機の種類などが載っている。『ABC』は日本語版もあるので使い方が分からなかったら、実際に手にとって調べてみてほしい。最近でこそ大規模なコンピューター予約システムを使っているため、『ABC』の出番は少なくなったが、その使い方を覚えておけば旅先で非常に便利だ。予定を変更して、更に乗り継いで行くような場合、旅先で『ABC』を読みこなせるとすぐ情報が手に入る。海外旅行が、まだ限られた専門家たちしか経験できなかった時代からずっと活躍している『ABC』。その旅の記号の世界を一度は体験してもらいたい。もうひとつ『OAG』という時刻表もあるが、こちらは慣れないと非常に引きにくい。『ABC』だけでも使いこなせれば、充分だろう。
大分県の北では国東半島の石仏、紅葉が美しい耶馬渓、全国に四万もある八幡神社の総元締めである宇佐八幡宮などがある。宇佐はローマ字で書くとUSAであることから、舶来品信仰が強かったその昔、メイドインUSAなどと書いた不届き者がいたという話もある。ここの「西の関」は、全国でも最高の人気を誇る蔵元の一つ。長く高速道路がない県だったが、ようやく久留米から県西部経由で大分に入るルートで開通し、江戸後期の儒学者、広瀬淡窓で知られる天領の町、日田がサッポロビールの工場誘致に成功した。県民性は地昧でぶっきらぽうだが誠実で暖かい。元総理の村山富市は、そんなイメージをよく代表しているといえよう。大分市内の古く簡素な自宅はすっかり有名になった。