日勤が終わって帰宅すると子宮から出血が始まった。慌てて産婦人科で診てもらうと切迫流産(流産しかかる状態)だった。入院し、点滴で止血剤が打たれた。この時、胎芽(妊娠8週未満を胎芽と呼び、8週以降を胎児と呼ぶ)の心音が確認されていたが、2日後、出血が少なくなり、内診と超音波検査を行うと、心拍が停止していた。流産を経験し、失った子の命の重みを感じると、無償に子どもが欲しくなった。しかし、「妊娠に冷たい職場ですぐには子どもを作れない」と、半年以上、妊娠のチャンスを待たざるを得なかった。Nさんの次の妊娠がわかると、20人いる看護師の同僚間で妊娠が重なり同時期に3人が妊婦となった。この時も夜勤免除を申請したが、「正職員だから、夜勤ができないなんて言えないよ」と師長はつき返した。妊娠したことを「すみません」と言わなければならない環境だ。妊娠中、経過は悪かった。1〜2ヵ月ごとに切迫流産・早産の診断書を病院に提出して合計で約7ヵ月間もの間、入院生活を送った。産前産後休業をとり、院内初の育児休業を取得してから職場復帰すると、1ヵ月で夜勤のシフトに組み込まれた。
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